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晩年に積極的に社会への干渉を減らすアカゲザル
晩年に友人が少なくなる事は、有害とみなす論文は様々あります。が、アカゲザルのメスは年をとるにつれ社会ネットワークとの干渉を積極手に減らし、家族を友人を優先するようです。
Female rhesus macaques “actively reduce” their social networks and prioritise friends and family as they get older, new research shows.
参照元:https://www.exeter.ac.uk/news/research/title_951476_en.html
– エクセター大学 University of Exeter. 30 November 2022 –
アカゲザルのメスは、年を取るにつれて社会的ネットワークを「積極的に減らし」、友人や家族を優先することが、新たな研究で明らかになりました。
晩年に友人が少なくなることは、人間を含めて有害と見なされてきました。
しかし、新しい研究によれば、メスのマカクはますます選択的になり、親族や長年の友人関係に重点を置くようにるようです。
この結果は、メスが晩年になって敬遠されるのではなく、メス自身によってその変化が引き起こされることを示しています。
この研究は、エクセター大学、アリゾナ州立大学、ニューヨーク大学、ペンシルバニア大学によって、プエルトリコ沖のモンキーアイランドとして知られるカヨ・サンチャゴで行われたものです。
エクセター大学動物行動研究センターのローレン・ブレント教授は話します。
ブレント教授:年齢とともに社会的ネットワークが狭まるというパターンは、人間にもよくあることです。私達の研究は、社会的選択性が人間特有のものではなく、より深い進化の裏付けを持っている可能性があるという、今日までで最も決定的な証拠を提供しています。
この研究は、200匹以上のマカクの8年間のデータを使って、各個体の社会生活がどのように変化したかを見ています。
研究者たちは、パートナーの死など他の説明を排除することで、メスによる社会的選択性の明確な証拠を発見したのです。
同じくエクセター大学のエリン・シラクーサ博士は話します。
シラクーサ博士:マカクが年齢とともに社会的選択性を高める理由には、多くの可能性があります。例えば、社会的相互作用がもたらす恩恵は、時間とともに変化する可能性があります。若いサルは、広い社会集団から、潜在的な相手を探したり見つけたりするのに役立つかもしれません。高齢のマカクにとっては、家族や既存の友人と一緒にいる方が、争いから病気の感染に至るまで、簡単で安全かもしれません。新しい人間関係は、より多くの精神的努力を必要とするので、社交に費やす時間の減少は見られませんが、高齢のマカクは、ネットワークを縮小することによって、精神的エネルギーを節約しているかもしれません。
カヨサンチャゴのマカクの長期的なモニタリングは、カリブ霊長類研究センターによって実現され、この研究は、国立衛生研究所の資金提供を受けています。


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