「言語習得に遅れもでる？」双子は独自の双子語などを発達させる事がある

双子は独自のコミュニケーションシステムや、「双子語」を発達させることがあり、ジェスチャや言語習得に遅れが出ることがあるそうです。

The research found that a lag in gesture can reliably predict a lag in speech. At the same time, lots of gesturing suggests speech is on the way. Parents can help speed their child’s acquisition of language by naming the objects they gesture to.

参照元：https://news.gsu.edu/2021/05/10/for-twins-gesture-and-speech-go-hand-in-hand-in-language-development/?utm_source=press-release&utm_medium=research-social&utm_campaign=health-wellness&utm_term=twins-gesture-speech&hootPostID=a22529967e674a58141079553f
– ジョージア州立大学 Georgia State University. MAY 10, 2021 –

ジョージア州立大学の心理学研究者による2つの研究によると、指差しや手振りなどのジェスチャーは、子どもの最初の言葉と密接に関係しており、双子の子どもは、こうしたジェスチャーの生成と使用において、一人っ子の子どもよりも遅れていることがわかった。

主任研究者のセイダ・オズカリスカン（心理学科准教授）によると、双子の場合、他の子どもに比べてジェスチャーの数が少なく、対象物に対するジェスチャーも少ないという。

オズカリスカン准教授によると、双子の場合、言語の使用も遅れており、ジェスチャーではなく言語は性別にも影響され、女子の方が男子よりも優れているという。

オズカリスカン准教授は話します。

「その意味するところはとても魅力的です。”双子の場合、ジェスチャーと言語は初期の発達において密接に関連していることがわかります。片方が遅れていると、もう片方も遅れてしまうのです。」

研究の結果、ジェスチャーの遅れは、発話の遅れを確実に予測できることがわかりました。

同時に、たくさんのジェスチャーをするということは、言葉が出てくることを示唆しています。

親は、子供がジェスチャーで示したものに名前をつけることで、子供の言語習得を早めることができます。

オズカリスカン准教授は話します。

「双子のジェスチャーが遅れているのは、親のインプットが少ないからかもしれません。双子の子供を持つ親は、注意力が分散され、労働力が倍増するため、ジェスチャーが少なくなるなど、子供との会話が短くなるのではないか。」

この研究は、オズカリスカン准教授と彼女の心理学博士課程の学生であるEbru Pinar、Sumeyra Ozturk、および共同研究者のNihan Ketrez博士によってイスタンブールで行われました。

論文「Parental Speech and Gesture Input to Girls Versus Boys in Singletons and Twins」はJournal of Nonverbal Behavior誌に、「Effect of Sex and Dyad Composition on Speech and Gesture Development of Singleton and Twin Children」はJournal of Child Language誌に掲載されました。

この2つの研究は、トルコの家庭で撮影されたビデオデータを分析したもので、男性、女性、男女混合の双子という3つのグループと、一人の男の子と女の子という2つのグループ、そしてその両親が対象となっています。

オズカリスカン准教授は、言語習得が徹底的に研究されているのに対し、ジェスチャーは双子の間ではまだ研究されていないため、興味を持ったと言います。

オズカリスカン准教授は話します。

「子どもの初期のボキャブラリーには性差があることは以前から知られていました。また、2〜3歳の女の子は、男の子よりも長くて複雑な文を作ります。双子の場合、言葉の面では最初は不利で、1人っ子に比べて使用する単語数が少なく、完全な文章を作るのも遅いです。男の子は最も遅れており、女の子と女の子の双子は、同年齢の男の子と男の子の双子よりも、より多くの語彙とより複雑な文章を発達させます。」

ほとんどの場合、これらの遅れは正常な差の範囲内であり、心配する必要はありません。

ほとんどの子供たちは、3歳半頃にはお互いに追いついてきます。

しかし、ジェスチャーについてはどうでしょうか？

双子のジェスチャーについては、どの言語でもほとんど研究されていませんでした。

乳児が指差しを使い始めるのは、最初の言葉を発する数ヶ月前の10ヶ月頃です。

つまり、”犬 “という言葉を実際に発する数カ月前に、犬を指差すのです。

ジェスチャーは、言葉で伝えられないことを伝え、子どもたちの初期の言葉への道を切り開きます。

双子の間でジェスチャーや言語の遅れが見られるのは、親からの情報提供が少ないことが主な原因だと思われますが、オズカリスカン准教授によると、双子は独自のコミュニケーションシステム、さらには「双子語」を発達させることがあり、これが言語習得を遅らせることがわかっているそうです。

オズカリスカン准教授は話します。

「おそらく、ジェスチャーの使用も遅れるのではないでしょうか。」

ほとんどの場合、ジェスチャーの遅れは、次の言語的なマイルストーンの遅れを意味することがあります。

オズカリスカン准教授は話します。

「しかし、ジェスチャーの遅れが長く続くようであれば、それは潜在的な発達や言語の遅れを示すマーカーかもしれません。」

逆に、幼少期にあまりしゃべらず、ジェスチャーを頻繁に使う子は、「言葉が出てきている」と親は安心していいそうです。

親がジェスチャーと発話を使い分けて子どもに接することで、子どもの言語習得はよりスムーズになります。

ジェスチャーと発話は、子供の発達において密接に統合されたシステムを形成しており、子供の最初のジェスチャーは、しばしば最初の発話に先立って行われます。

このようなつながりに興味を持った親御さんには、オズカリスカン准教授は、子どもが指をさしたときに、次のように物の名前をつけることを提案しています。

はい、これはビンだよ、ビンが欲しい？

名前をつけることで、子どもは新しい言葉を早く覚えることができます。

また、名前をつけるときには、親が身振り手振りで物を示すようにするといいでしょう。

オズカリスカン准教授は話します。

「ジェスチャーはとても強力なツールです。子どものジェスチャーに注意を払い、言葉で説明することで、子どもの言語発達を助けます。」