他国でも効果はあるのか「成功した日本の「手をかけない」しつけ」

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他国でも効果はあるのか「成功した日本の「手をかけない」しつけ」

日本の学校が子どものケンカに手を出さない方法を検証した結果、自主性の機会を生み出し、解決策のオーナーシップを促すことができることがわかりました。

The researchers said insights gleaned from exploring the mimamoru approach could provide educators with fresh perspectives on disciplinary practices, particularly in countries where direct and immediate intervention is prioritized.

参照元:https://www.hiroshima-u.ac.jp/en/news/64727
– 広島大学 Hiroshima University. 2021/05/28 –

この教育戦略は、「見守る」という意味の「mi」と、「守る」という意味の「mamoru」を組み合わせたもので、「mimamoru」と呼ばれています。

一般的には、「見守る教育」と理解されています。

幼児教育者を含む大人が、子どもたちに意図的に意見の相違を処理させ、子どもたちが自発的に探求し、行動することで学習を促進するのです。

日本の幼児教育・保育(ECEC)カリキュラムの正式な一部ではありませんが、暗黙のガイドラインとして扱われています。

このアプローチは、日本の家庭や学校での社会化の慣習を反映したもので、大人は子どもが問題に対応するのを待ち、子どもが主体的に学習するように導くのが当たり前になっています。

本研究の著者である広島大学大学院人文社会科学研究科准教授・ECEC専門家の中坪文則氏は話します。

「本研究は、日本の幼児教育者が介入しない傾向にある理由や、どのような状況でどのように介入しているのかを理解することを目的としています。」

研究者たちは、「みまもり」のアプローチから得られた洞察は、特に直接的で即時的な介入が優先される国において、教育者にしつけの実践に関する新たな視点を提供することができると述べています。

日本の幼児教育者34名と米国の幼児教育者12名がフォーカスグループに参加しました。

フォーカスグループでは、介入しない方法を検討するために、ビデオキューイング・マルチボーカル・エスノグラフィーの手法を改良して使用しました。

西日本の私立幼稚園で実施された3分間の映像を見た後、国際色豊かな教育者たちは、園児や教師が示す非言語的な合図や、介入のタイミングについて話し合いました。

この研究成果は、Early Childhood Education Journalに掲載されました。

若者が揉めているときにただ傍観するのは、直感に反するように思えるかもしれません。

しかし、このアプローチでは、衝突は学習のための貴重な機会であり、大人がすぐに介入してしまうと、子供が得るものを奪ってしまうと考えています。

介入して子供の行動を判断してしまうと、不用意に善悪を決めつけてしまい、人間関係に悪い影響を与えてしまいます。

この研究では、子どもたちに「痛い!」(物理的な痛み)や「やばい!」という感情を経験させることは、人間関係に悪影響を与えると指摘しています。

「痛い!」(身体的な痛み)や「ああ、いけない!」(罪悪感)という気持ちを子どもに経験させることが、教育につながると指摘しています。

(罪悪感)を経験させることで、物理的なケンカでは何の解決にもならないことを教えることができます。

しかし研究者たちは、「見守る」とは、大人が子どもの安全を無視することではないことを明らかにしました。

日本の教育者は、ケンカによる身体的被害のリスクが、子どもの学習へのメリットよりも大きい場合に介入します。

日米の教育関係者は、「見守り」の3つの大きな特徴を強調しました。

それは、身体的危害の直接的なリスクを軽減するための一時的で最小限の介入、子どもたちに問題解決を促すための不介入(ケンカに巻き込まれない)、大人のサポートがなくても子どもたちがジレンマを解決できると判断した場合の不存在(子どもたちを一人にする)です。

この3つのうちどれを適用するかは、メリットと脅威のバランスをとる忍耐力、行動の注意深い観察、そして子どもたちの経験から学ぶ能力への信頼にかかっています。

“みまもり”は一見受動的に見えますが、子どもたちが自分で考えて行動するのを忍耐強く見守ることが求められます。

日本の教育現場では、子どもが本来持っている善良さ、特に日常の社会的相互作用を通して学ぶ能力を大人が信頼していることが前提となっています。

言い換えれば、子どもは大人の保護の下で自律性を探りながら学んでいくのです。

この研究に参加した米国の研究者たちは、子どもたちを物理的な危害から守るための政策によって、自国の教育者が子どもたちが自ら問題を解決するのを待つことができないかもしれないと提起しました。

しかし、保護者の同意を得て、その国の教育的・政策的背景に合った修正を加えれば、教室で試してみる価値があるかもしれないと認識しました。

中坪氏は、今回の研究によって、日本の教育者のアプローチに内在する「隠れた強み」が明らかになったと期待しています。

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