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未就学児への童話の読み聞かせ「育ってきた文化で子供の感情表現が異なる」

未就学児の社会的な感情は、文化により違うようです。
たとえば、ロシアの親は米国の親よりも、恐怖、怒り、悲しみなどのネガティブな感情を題材にした物語を子どもに読み聞かせる傾向があるようです。

Recent research of parents in Russia and the United States, as well as children’s literature in both countries, highlights how cultural differences in socializing emotions begin before children even start attending school.

参照元：https://news.ncsu.edu/2021/12/childrens-stories-and-emotions/
– ノースカロライナ州立大学 North Carolina State University. December 2, 2021  –

ロシアと米国の両親、および両国の児童文学に関する最近の研究により、感情の社会化に関する文化の違いが、子どもが学校に通い始める前から始まっていることが明らかになりました。

具体的には、ロシアの親は米国の親よりも、恐怖、怒り、悲しみなどのネガティブな感情を題材にした物語を子どもに読み聞かせる傾向があることがわかりました。

両研究を記述した論文の共著者で、ノースカロライナ州立大学心理学教授のエイミー・ハルバースタット氏は話します。

「米国では、幸せや誇りといったポジティブな感情の価値が強調されています。」

論文の共同執筆者でジョージタウン大学心理学准教授のユリア・チェンツォヴァ・ダットン氏は話します。

「ロシアでは、もっとニュアンスが違います。ロシアの文化は、すべての感情–ネガティブな感情も含めて–を大切にしているようです。」

「我々が子供の頃に読んだり聞いたりした物語は、しばしば我々がどの感情を重視するかを教えてくれるので、我々はそれらの物語が、これらの2つの文化間でどのように異なるかもしれないかを見たいと思いました。」

そのために、研究者たちは、2つの研究を行いました。

最初の研究では、10歳未満の子どもを持つ322人の親を募集した。

その内訳は、米国で生まれ米国に住んでいる親が72名、ロシアで生まれ米国に住んでいる親が72名、ロシアで生まれロシアに住んでいる親が178名でした。

この研究では、研究者は、親が子供に読み聞かせた本が10種類の感情–6種類のポジティブなものと4種類のネガティブなもの–をどの程度描いているかを記述するよう求めました。

ケンタッキー大学の大学院生で、ノースカロライナ州立大学の学部生としてこのプロジェクトに参加したアニタ・アダムス氏は話します。

「ポジティブな感情の頻度については、グループ間で差はありませんでした。しかし、ロシアの親は、米国の親よりも、より否定的な感情を持つ本を読むことを選択した。ロシア系アメリカ人の親は、その2つのグループの中間のような感じでした。」

そして、研究者達が、悲しみの価値についての両親の信念を調べたところ、ロシアの両親は、アメリカの両親よりも悲しみの経験を大切にしていることが分かりました。

ハルバースタット氏は話します。

「この価値観が、ネガティブな感情全般について子供ともっと関わりたいと思わせる理由の一部になっているようです。」

2つ目の研究では、米国とロシアで就学前の子どもを対象としたベストセラーのフィクション本40冊を評価しました。

研究者たちは、80冊すべての本のテキストとイラストを分析し、ポジティブとネガティブの感情の範囲と頻度を評価しました。

その結果、ロシアで人気の絵本は、米国で人気の絵本に比べて、より幅広い感情を表現していることがわかりました。

具体的には、ロシアの絵本は、米国に比べて怒りや悲しみの表現が多く、ロシアの絵本は米国に比べて幸せ、怒り、恐怖の表現が多いことがわかりました。

これは、文章の長さや表情のあるイラストの数の違いを考慮しても、同じことが言えるそうです。

ハルバースタット氏は話します。

「これらの研究を総合すると、ロシアの親と米国の親とでは、感情に関する関わり方が異なることが明らかになりました。簡単に言えば、ロシアの親は、怒りや悲しみといった難しい感情について、幼い子供と関わる機会をサポートする傾向が強いということです。」

「今後の研究では、子どもたちが困難な感情を乗り越えるためのツールをより多く提供するという点で、このことが何を意味するのかを探ってみたいと思います。」

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