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「 5人に1人が高校卒業資格を得られない」高い成果を出すための支援
米国では5人に1人が高校卒業資格を得られず、その後失業、不健康、貧困に繋がる可能性があります。
One in five students in the United States will not earn a high school diploma — and young adolescents who fall behind in school risk never catching up, leading to unemployment, poor health and poverty, research has shown.
参照元:https://www.ucdavis.edu/curiosity/news/underachievers-no-more
– カリフォルニア大学デービス校 University of California – Davis. June 15, 2022 –
米国では、5人に1人が高校卒業資格を得られません。
そして、学校で遅れをとった若い青年は、決して追いつくことができず、失業、不健康、貧困につながる危険があることが、研究によって明らかになりました。
しかし、カリフォルニア大学デービス校がカリフォルニアとニューヨークの都市部の中学生を対象に行った新しい研究は、学業不振の生徒に対する有望な方法を示しています。
研究者たちは、教師が早期に介入し、知能は可鍛性であり、学習は達成可能であると生徒に教育することで、成績不振の生徒が活躍し、成績が向上することを発見したのです。
この研究の主執筆者で、人間生態学部の博士研究員であり、教育心理学を研究しているテネル・ポーター氏は話します。
ポーター氏:これらの結果は刺激的でした。努力次第で能力は向上し、苦学生にも進歩が見られるということです。
この研究は、2022年6月14日にPsychological Science誌に掲載されました。
ポーター氏は、子どもたちやその家族、そして教師の間でも、中学で成績が悪かった生徒は一生追いつけないのではないか、つまり思春期初期以降に知能レベルがあまり上がらないのではないか、という考え方がよくあると説明しました。
しかし、この研究では、脳は筋肉のように強化し鍛えることができるとするマインドセット介入と呼ばれる教育哲学を実施し、そのプログラムを教室で実施する方法を教師に訓練したところ、1年間で平均数パーセントの成績が向上したことが示されました。
この研究で用いられた介入は、”Brainology “と呼ばれる特定のプログラムです。
この研究は、教師がこの技術に与える影響を含めた初めてのもので、教師が関与せずに生徒一人一人にコンピュータでメッセージを配信するよりも、成績的に二倍の効果があることが証明されました。
成績の悪い生徒の方が、すでに成績の良い生徒よりも効果があったのです。
生徒たちは、「『わあ、私はもっと賢くなれるんだ』と学んだのです」とポーター氏は言います。
COVID-19が閉鎖される前の1学期間に、オレンジ郡とニューヨーク市にある12校で、民族的に多様な6年生と7年生の約2000人と50人の教師が無作為化試験に参加しました。
この方法は、数学、科学、英語のコースで交互に実施され、異なる科目での結果を検証しました。
「この方法は様々な科目で効果があると確信できる」とポーターは述べています。
米国内外の数百校で採用されている「Brainology」では、脳の働きや、努力、学習、効果的な戦略の使用によって賢くなる仕組みを学ぶことで、成長思考法の基礎を学ぶことができると研究者は述べています。
この研究では、教師が介入を行う際に重要な役割を与えられています。
これにより、教師が成長思考を支持し、生徒が向上できると信じていることが生徒に伝わると研究者は述べています。
教師はBrainologyの4つのレッスンのうち3つを担当し、生徒が積極的に教材を処理できるように指導しました。
例えば、教師は生徒に向上させたい科目を挙げさせ、その科目で最大限の学習をするための計画を立てさせるなどして、可鍛性知能の概念を示すことができます。
教師には継続的なサポートが提供されました。教師にはカリキュラムガイド、ビデオ教材、対面式トレーニングが配布され、成長思考を生徒に伝えるための教育的テクニックが伝授されました。
さらに、成長思考と教育の専門知識を持つスタッフが、ブレインロジーのレッスンを定期的に観察し、介入期間中はコーチングを行ったと研究者は述べています。
その結果、教師のマインドセットの信念も成長したそうです。


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